松山市の郷土芸能「松山野球拳おどり」とは?地域での重要性や踊りの種類 - 株式会社コーシンコンストラクション
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2024.08.14

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松山市の郷土芸能「松山野球拳おどり」とは?地域での重要性や踊りの種類

コーシン田中です!

「野球拳」と聞くと、じゃんけんで負けたほうが服を脱ぐ、あの宴会芸を思い浮かべる方が多いのではないでしょうか。

じつは野球拳の発祥は愛媛県の松山市であり、本家の野球拳おどりでは服を脱ぎません。

「野球するならこういうふうにしやしゃんせ」の音楽を自由にアレンジし、オリジナルの振り付けで踊ります。

野球拳は松山市民や松山で活躍する企業にとって、なくてはならない郷土芸能の1つなのです。

このブログでは、松山市の郷土芸能である松山野球拳おどりを、詳しく解説します!

松山野球拳おどりとは

松山野球拳おどりとは、愛媛県松山市の郷土芸能の1つです。

毎年8月下旬になると「松山まつり(現松山野球拳おどり)」が開催されます。

松山まつりの催し物の1つとして、参加団体がさまざまな松山野球拳おどりを披露します。

松山野球拳おどりは、日本人なら誰もが聞いたことある「野球〜す〜るなら、こういうふうにしやしゃんせ」のメロディーに合わせて踊ります。

メロディー自体に決まりはあるものの、踊り方や曲調はさまざまで、これといったルールはありません。

チームそれぞれが用意したミュージックに合わせて個性的なダンスを舞い、夏を情熱的に盛り上げます。

ちなみに2023年の松山野球拳おどりに参加したチームは、全部で45チームでした。

その中にはNTT西日本グループやミウラグループ、愛媛県庁など、愛媛を支える大企業や公共団体などの名も散見されます。

企業の重役も公務員も、一般市民の子どもや大人、ご高齢の方など、松山市を愛する皆で大盛り上がりの松山野球拳おどり。

まさに松山市民にとってはソウルフードならぬソウルダンスといえる、地域一丸となって楽しむイベントなのです。

公式サイト「松山野球拳おどり」

松山野球拳おどりの歴史

松山市民にとって、なくてはならない松山野球拳おどりですが、どのようにして誕生したかご存じでしょうか。

松山野球拳おどりが誕生したのは、1924年10月のこと。

その日、近県実業団野球大会が高松市で開催され、松山市からは伊予鉄電野球部が参加しました。

しかし、試合結果は惨敗。悔しい思いを抱えながら、部員たちはグラウンドを後にしました。

試合後は、市内の旅館で懇親会が開かれます。

懇親会を盛り上げるのは、隠し芸の競い合い。

競合チームが優れた隠し芸を披露する中、試合に負けた伊予鉄電野球部は、意気消沈気味でした。

そこで当時の伊予鉄電野球部の副監督であった前田伍健(当時は五剣)氏が部員を奮い立たせようと即興で考えたのが、現代でも多くの人が知る「野球拳」だったそう。

全員がユニフォームになり、「野球するなら、こういう具合にしやしゃんせ〜」と歌と踊りを披露したところ、会場は大盛り上がり!

試合には負けたものの、宴会の席で満塁ホームランを放った伊予鉄電野球部の功績は、地元の松山市だけにとどまらず、やがては全国まで広がり、野球拳は大流行します。

一方で、当時の松山まつりでは、祭りを盛り上げるために新しく考案された「伊予の松山鼓踊り」が披露されてました。

しかしその評判は悪くはないものの、新しい踊りだったことから、一般の人々が馴染むまで時間がかかりそうな状態でした。

そこで、より松山を盛り上げるために、当時人気の高かった野球拳が代替え案として上がります。

こうして松山まつりの定番の催し物は野球拳に変化。

テレビで祭りが取り上げられたこともあり、松山市の郷土芸能として広く知られるようになったのです。

服を脱ぐ「野球拳」との繋がり

野球拳というと「じゃんけんで負けたほうが服を脱いでいく」というルールを思い浮かべる方も多いと思います。

しかしこれは、テレビのバラエティ番組が行った独自の企画です。

本家の野球拳おどりは、服を脱ぐことはありません。

野球拳おどりが全国区に広まった結果、服を脱いだり負けたほうがお酒を一気飲みしたりと、さまざまなスタイルが派生しました。

野球拳おどりの楽しみ方はそれぞれです。

松山野球拳おどりでは、曲にのせたオリジナルの踊りをダンサーも観客も一緒になって楽しみます。

松山野球拳おどりの地域での重要性

松山野球拳おどりの祭りは盛大で、交通整備を行いながら3日かけて開催されます。

地元の人はこの祭りの開催をとても楽しみに待ちわびています。

松山野球拳おどりを楽しみに1年を過ごすのは観客だけではありません。

参加者側も熱い想いを抱えて当日に臨みます。

その熱意はとても強く、2010年より松山野球拳おどりに参加している「ミウラグループ」は自社のブログで「1年の4分の3は祭りのことを考えている」と明かすほど!

松山野球拳祭りは、企業と地元の人々を繋ぐ橋渡しもしているのです。

また松山野球拳祭りは、松山市をアピールする上でも重要な存在です。

令和3年には野球拳おどりの伝統と文化にアレンジを加えて、令和のコンテンツとして新たにブランディングした「Baseball-Dance」も誕生しました。

Baseball‐Dance ~Branded Movie~

このプロジェクトには、椎名林檎さんやクレイジーケンバンドさんなど、大物ミュージシャンのMVを製作したウスイヒロシ氏を監督に迎えています。ボーカルとダンスには「lol-エルオーエル-」のリーダーである小見山直人氏や「Dream5」の大原優乃氏を起用[1] 。

また、松山野球拳おどりには有名人や芸能人を呼び、松山市の認知を高める取り組みも行われています。

このように松山野球拳おどりは、地域の人々の心の支えでありながら、企業と地元民との結びつきを強化したり、松山市の名を広めるための立役者になったりと、松山市にとってなくてはならない存在なのです。

松山野球拳おどりのダンスの種類

松山野球拳おどりのダンスの種類は、サンバやロック、民謡調などさまざまです。

踊りの種類に規定はないため、オリジナルのダンスで参加できます。

また、曲は一定ではあるものの、アレンジを自由に加えても問題ありません。

多種多様な踊りが披露されるため、眺めているだけでもたっぷり楽しめます。

松山野球拳おどりのルール

松山野球拳おどりのルールはとてもシンプルで、基本的には「野球拳のフレーズを使って踊る」ことさえ守ればOKとされています。

小道具や衣装などにも決まりはなく、それぞれが考える「松山野球拳おどり」を披露します。

PR車や音響車なども利用しても良いため、曲調や音色などもさまざま。

踊りに使用されている曲はすべて同じ曲のはずなのに、チームごとにまったく異なる音楽に聞こえるのも、松山野球拳おどりの楽しさです。

松山市に来たら松山野球拳おどりを楽しもう!

松山野球拳おどりは、毎年夏に開催されます。

祭りの時期が近づくと、街の中はとても賑やかな雰囲気になり、活気に溢れます。

夏に松山市を訪れる予定の方は、ぜひ、松山野球拳おどりを楽しんでみてください。

松山市民の松山野球拳にかける熱い気持ちや踊りの迫力に触れて、夏を盛り上げましょう。